テロップ(字幕・テキスト)は、動画のわかりやすさを左右する最も重要な要素です。
プロが作った動画と素人の動画の違いは、実はカット編集よりもテロップに現れます。フォント、サイズ、色、配置——ルールを知っているかどうかで、動画全体の印象が大きく変わります。
この記事では、テロップのデザインルールと、主要ソフトでの具体的な入れ方を解説します。
テロップの種類
まず、動画で使われるテロップは主に4種類あります。
| 種類 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| フル字幕 | 話している内容をすべてテキスト化 | ビジネス系YouTube |
| ポイント字幕 | 重要な箇所だけテキスト表示 | Vlog、エンタメ系 |
| 見出しテロップ | セクションの区切りを示す | 「ポイント①」「注意点」 |
| 補足テロップ | 画面に映っていない情報を補足 | 商品名、場所名、日付 |
初心者はポイント字幕 + 見出しテロップの組み合わせから始めるのがおすすめです。フル字幕は作業量が3〜5倍になるため、慣れてからで十分です。
テロップデザインの7つの基本ルール
ルール1:フォントサイズは「大きすぎ」くらいがちょうどいい
視聴者の7割以上がスマホで動画を見ています。パソコンの大画面で「ちょうどいい」サイズは、スマホでは小さすぎます。
目安:
– YouTube横型動画:最低48px以上(画面の1/10以上の高さ)
– ショート動画(縦型):最低60px以上
📝 ここがポイント:編集中はPCの大きな画面で見ているので「ちょうどいい」と思いがちですが、視聴者の7割はスマホです。書き出したら必ずスマホで確認してください。「ちょっと大きすぎかな」くらいがスマホではちょうどいいです。
迷ったら大きくする方を選んでください。小さくて読めないテロップは、ないのと同じです。
ルール2:フォントは2種類まで
使うフォントはゴシック体と明朝体の2種類に絞ってください。
| フォント | 特徴 | 使いどころ |
|---|---|---|
| ゴシック体 | 太く読みやすい | メインの字幕(全編で使用) |
| 明朝体 | 落ち着いた印象 | 見出し、強調箇所 |
おすすめフォント:
– Noto Sans JP(ゴシック、無料、Googleフォント)
– 源ノ角ゴシック(ゴシック、無料)
– M PLUS Rounded 1c(丸ゴシック、無料、親しみやすい)
ルール3:文字色は「白+縁取り」が最強
どんな背景でも読めるのが白文字+黒の縁取り(アウトライン)です。
| パターン | 使いどころ |
|---|---|
| 白文字+黒縁取り | 万能。迷ったらこれ |
| 黄色文字+黒縁取り | 強調したい箇所 |
| 赤文字+白縁取り | 警告・注意点 |
| 黒文字+白背景帯 | 画面が明るい映像向け |
色を3色以上使うと散らかって見えるので、メインカラー+強調カラーの2色で統一してください。
ルール4:1行の文字数は15文字以内
1行に詰め込む文字数が多いと、読み切る前にテロップが消えてしまいます。
- 横型動画:1行15文字以内
- 縦型(ショート):1行10文字以内
- 2行になる場合:行間を十分に取る
長い文章は分割して複数のテロップに分けてください。
ルール5:表示時間は最低2秒
テロップの表示時間が短すぎると読み切れません。
- ポイント字幕:2〜4秒
- 見出しテロップ:3〜5秒
- フル字幕:話すスピードに合わせる
自分で音読してみて、読み切れる時間を確保してください。
ルール6:位置は「セーフゾーン」内に
テロップの配置位置にはルールがあります。
横型動画の場合:
– メイン字幕:画面下部の中央
– 見出しテロップ:画面上部の左寄り
– 補足テロップ:画面右上
縦型動画(ショート)の場合:
– メイン字幕:画面中央
– 下1/5は避ける(プラットフォームのUIと被る)
ルール7:アニメーションは控えめに
テロップが回転しながら飛んできたり、1文字ずつ現れたりするアニメーションは、最初は楽しいですが視聴者にとっては邪魔です。
- フェードイン / アウト(0.2〜0.3秒):自然で邪魔にならない
- ポップイン(パッと出る):テンポが良い
華やかなアニメーションより、読みやすさを優先してください。
ソフト別:テロップの入れ方
Premiere Pro
- ツールバーの「テキストツール(T)」を選択
- プレビュー画面をクリックして文字を入力
- 右側の「エッセンシャルグラフィックス」パネルでフォント・サイズ・色を調整
- 「アピアランス」で縁取り(ストローク)を追加
- タイムライン上でテロップの表示タイミングと長さを調整
時短テクニック: 1つ目のテロップを完成させたら、タイムライン上でAlt + ドラッグでコピー → テキストだけ変更。スタイルを毎回作り直す手間が省けます。
DaVinci Resolve
- 「エフェクトライブラリ」→「タイトル」→「テキスト+」をタイムラインにドラッグ
- プレビュー画面でテキストをクリックして文字を入力
- 右側の「インスペクタ」でフォント・サイズ・色を調整
- 「Settings」タブで縁取り(Outline)の幅と色を設定
CapCut
- タイムライン下の「テキスト」をタップ
- 「テキストを追加」を選択
- 文字を入力し、フォント・サイズ・色を設定
- 「スタイル」で縁取りや影を追加
- 「自動キャプション」を使えば音声から自動で字幕生成
CapCutの自動キャプションは日本語の精度が高く、フル字幕を入れる場合は手動より圧倒的に効率的です。
自動字幕生成ツールの活用
手動でテロップを1つずつ入れるのは時間がかかります。自動字幕生成ツールを使って時短しましょう。
| ツール | 対応ソフト | 料金 | 日本語精度 |
|---|---|---|---|
| Premiere Pro 文字起こし | Premiere Pro | 月額に含む | ◎ |
| CapCut 自動キャプション | CapCut | 無料 | ◎ |
| Vrew | 独立ソフト | 無料(制限あり) | ○ |
| Whisper(OpenAI) | Python環境 | 無料 | ◎ |
自動生成→手動で修正の流れが最も効率的です。完全に正確ではないので、必ず目視で確認してください。
ジャンル別テロップの使い分け
ビジネス系・解説系YouTube
- フル字幕 or ポイント字幕多め
- フォント:ゴシック体
- 色:白文字+黒縁取り、強調は黄色
- 見出しテロップで章分けを明示
Vlog・旅行系
- ポイント字幕のみ
- フォント:丸ゴシック(親しみやすさ)
- 色:白文字+軽めの影
- 場所名や日時の補足テロップ
エンタメ・バラエティ系
- ポイント字幕+リアクション字幕
- フォント:太めのゴシック
- 色:カラフル(赤、黄、緑を使い分け)
- アニメーション多め
ショート動画
- 画面中央に大きく
- フォントサイズ最大級
- 1行5〜8文字
- 表示時間1〜2秒(テンポ重視)
よくある失敗と対策
失敗1:文字が小さすぎる
パソコンの画面で確認して「ちょうどいい」サイズは、スマホでは読めません。書き出した動画をスマホで再生して確認してください。
失敗2:テロップが多すぎる
画面が文字だらけになると、映像よりテロップに目がいってしまいます。「このテロップがなくても伝わるか?」を基準に間引いてください。
失敗3:誤字脱字
テロップの誤字は目立ちます。特に自動字幕は誤変換が起きやすいので、公開前に最低2回は通して確認してください。
失敗4:背景と文字色が同化
白い背景に白い文字、暗い背景に黒い文字は読めません。必ず縁取りを付けるか、半透明の帯を敷いてください。
よくある質問(FAQ)
Q. テロップ作業にどれくらい時間がかかる?
ポイント字幕で10分の動画なら30〜60分。フル字幕なら2〜3時間。自動字幕ツールを使えばフル字幕でも1時間程度に短縮できます。
Q. テロップのフォントはどこで入手する?
Googleフォント(fonts.google.com)で無料の日本語フォントが多数公開されています。「Noto Sans JP」「M PLUS Rounded 1c」が人気です。
Q. テロップのテンプレートはある?
Premiere Proの「モーショングラフィックステンプレート」やCapCutの「テキストテンプレート」を使えば、デザイン済みのテロップをそのまま適用できます。
まとめ:7つのルール一覧
| # | ルール |
|---|---|
| 1 | フォントサイズは大きすぎくらいが正解 |
| 2 | フォントは2種類まで |
| 3 | 白文字+黒縁取りが最強 |
| 4 | 1行15文字以内 |
| 5 | 表示時間は最低2秒 |
| 6 | セーフゾーン内に配置 |
| 7 | アニメーションは控えめに |
テロップはルールを知るだけで品質が大きく変わります。まずはこの7つを守って、1本作ってみてください。

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