「自分の編集にいくらの値段をつけていいかわからない」
動画編集フリーランスが最も悩むのが料金設定です。安すぎると自分が消耗し、高すぎると案件が取れない。この記事では、根拠のある料金表を作るための考え方を解説します。
料金設定の3つの考え方
考え方1:時給ベースで逆算する
最もシンプルな方法です。
計算式: 目標時給 × 作業時間 = 1本あたりの料金
| 目標時給 | 作業時間(10分動画) | 1本の料金 |
|---|---|---|
| 1,500円 | 5時間 | 7,500円 |
| 2,000円 | 5時間 | 10,000円 |
| 3,000円 | 5時間 | 15,000円 |
| 5,000円 | 5時間 | 25,000円 |
初心者は目標時給1,500〜2,000円から始めるのが現実的です。経験を積むにつれて作業時間が短縮され、結果的に時給が上がっていきます。
考え方2:市場相場から設定する
市場の相場を参考に、自分のスキルレベルに合わせて設定します。
| 編集内容 | 市場相場 | 初心者向け | 中級者向け |
|---|---|---|---|
| カット+テロップ(10分) | 5,000〜15,000円 | 5,000〜8,000円 | 10,000〜15,000円 |
| フル編集(10分) | 15,000〜50,000円 | 15,000〜20,000円 | 25,000〜40,000円 |
| ショート動画(1本) | 3,000〜10,000円 | 3,000〜5,000円 | 5,000〜10,000円 |
| サムネイル制作 | 1,000〜5,000円 | 1,000〜2,000円 | 2,000〜5,000円 |
考え方3:付加価値で差別化する
同じ「動画編集」でも、何をセットで提供するかで料金は大きく変わります。
| 提供内容 | 料金の目安 |
|---|---|
| カット編集のみ | 3,000〜5,000円 |
| カット+テロップ+BGM | 5,000〜15,000円 |
| +サムネイル制作 | 8,000〜20,000円 |
| +企画構成提案 | 15,000〜30,000円 |
| +YouTube運用アドバイス | 30,000〜50,000円 |
「編集だけ」から「編集+α」にすることで、単価を2〜5倍にできます。
料金表テンプレート
以下をベースに、自分のスキルと相場を考慮して調整してください。
プラン型の料金表
| プラン | 内容 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| ライトプラン | カット編集+BGM+簡易テロップ | 8,000円/本 |
| スタンダードプラン | フル編集(テロップ多め)+BGM+カラー補正 | 15,000円/本 |
| プレミアムプラン | フル編集+サムネイル+ショート動画切り出し | 25,000円/本 |
オプション型
| オプション | 料金(税込) |
|---|---|
| フル字幕追加 | +5,000円 |
| サムネイル制作 | +2,000円/枚 |
| ショート動画切り出し | +3,000円/本 |
| 特急対応(3日以内) | +50% |
| 修正追加(4回目以降) | +2,000円/回 |
「プラン型+オプション型」の組み合わせが最も使いやすいです。
月額契約型
| 本数 | 月額料金(税込) | 1本あたり |
|---|---|---|
| 月4本 | 50,000円 | 12,500円 |
| 月8本 | 90,000円 | 11,250円 |
| 月12本 | 120,000円 | 10,000円 |
継続案件は月額契約にすると、クライアント・編集者双方にメリットがあります。 クライアントは1本あたりの単価が下がり、編集者は安定収入が確保できます。
見積もりを出すときの5つのルール
ルール1:総額を明示する
「基本料金+追加料金で変動します」ではなく、「この内容なら◯◯円です」と総額を提示してください。曖昧な見積もりはクライアントの不安を招きます。
ルール2:修正回数を明記する
「修正は◯回まで含む」「◯回以降は1回◯◯円」と書いてください。これを書かないと無限修正地獄に陥ります。
ルール3:納期を明記する
「素材をいただいてから◯営業日以内」と具体的に。「なるべく早く」は約束ではありません。
ルール4:消費税の扱いを明確に
「税込◯◯円」か「税抜◯◯円+消費税」かを明記。インボイス制度の対応状況も聞かれることがあるので、適格請求書発行事業者であるかどうかを伝えてください。
ルール5:支払い条件を書く
- 支払い方法(銀行振込)
- 支払いタイミング(納品後◯日以内)
- 前払い or 後払い
口頭ではなく書面(メールやチャット)で残すのがトラブル防止の基本です。
値上げのタイミングと方法
値上げすべきサイン
- 作業時間に対して割に合わないと感じている
- リピートや紹介で案件が途切れない(需要 > 供給)
- 新しいスキルを習得した(After Effects、サムネイル制作等)
- 同じクライアントと6ヶ月以上続いている
値上げの伝え方
NG: 「来月から値上げします」(唐突すぎる)
OK: 「いつもありがとうございます。来月から料金を改定させていただきたくご相談です。サムネイル制作にも対応できるようになり、提供範囲を広げたため、1本◯◯円とさせていただけますでしょうか」
ポイント:
– 値上げの理由を明確に(スキルアップ、対応範囲拡大)
– 1ヶ月前に予告する
– 一気に上げすぎない(10〜30%ずつ)
– 「無理でしたら現行料金のまま◯月まで対応します」と逃げ道を用意
やってはいけない料金設定
NG1:「いくらでもいいです」
料金を相手に決めさせると、ほぼ確実に安くされます。自分の価格は自分で決めてください。
NG2:1本1,000円以下の案件を受け続ける
最初の1〜2件の実績作りとしてはアリですが、3件目以降も安い案件を受け続けるのは消耗の元です。
NG3:「他の人は◯◯円でやってくれる」に応じる
他の人の料金は他の人のもの。自分のスキルと提供価値に自信を持ってください。安値競争に参加する必要はありません。
NG4:作業範囲を曖昧にしたまま受ける
「編集お願いします」だけで受けると、カット編集のつもりが「フル字幕もサムネも」と際限なく要求されます。作業範囲を見積もりの段階で明確にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 初心者が最初につける料金は?
1本5,000〜8,000円(カット+テロップ+BGMの基本編集)。最初の2〜3件は実績作りのため、もう少し安くてもOK。ただし1,000円以下は避ける。
Q. 請求書はどうやって作る?
freee、Misoca、マネーフォワードなどの無料ツールで作成できます。テンプレートを使えば5分で完成します。
Q. 値引き交渉にはどう対応する?
「値引きは難しいですが、◯◯を外せば◯◯円に収められます」と作業範囲で調整する提案をしてください。単純な値引きは自分の価値を下げます。
Q. 相場より高くても案件は取れる?
提供価値が明確なら取れます。 「なぜこの料金なのか」をポートフォリオと実績で説明できれば、相場以上の料金でも選ばれます。
まとめ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 目標時給から逆算して基準料金を決める |
| 2 | 市場相場と照らし合わせて調整 |
| 3 | プラン型+オプション型の料金表を作成 |
| 4 | 見積もりには総額・修正回数・納期を明記 |
| 5 | 半年ごとに料金を見直す |
💬 現場の本音:「値段を言うのが怖い」という気持ちはわかります。でも安売りは自分だけでなく業界全体を疲弊させます。あなたが5時間かけて作った動画に5,000円の価値がないはずがない。堂々と請求してください。自信は後からついてきます。
料金は「自分のスキルに見合った適正価格」を堂々と提示してください。 安売りは自分も業界も疲弊させます。

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